授業科目概要

学府共通科目

科学の統合方法論
科学的探究の思想とステップは専門領域を問わず共通する点が多いが、具体的な研究方法は各領域で異なる。そこで、それぞれの研究方法について理解をして、知の統合と新たな知を創造する方法を学ぶ。まず、ユーザー感性学専攻におけるヒトの感覚・情動研究の方法論(実験計画法,測定法など)や研究事例、また人間理解のための研究方法である観察法について体験的理解を深める。続いて自動車を対象にして、科学的な知の発想とそれを活かす知の具象化に至る一連の知の応用と転換のプロセス、さらに知の可視化とその管理(知財管理)を学び、最後に知の統合に必要な学術情報の管理と提供のあり方について考察する。

特別研究

特別研究Ⅰ
特別研究Ⅰは、修士論文を作成するために実施される研究指導の一環として行われる科目である。具体的には、特別研究Ⅰでは、ライブラリーサイエンスに関する課題を自主的に設定し、課題解決のための手法や仮説を考察し、その妥当性の検証方法等を決定する。このために、関連論文の調査やフィールド調査、予備的な実験等を行う。進捗状況を担当指導教員に説明し、担当指導教員は研究計画の立案と実行を指導して、学生の知的能力、コミュニケーション能力等を確認し、特別研究Ⅱへの進展を判定する。各教員の指導担当は、以下のとおりとする。
(折田悦郎) 公文書館論、特に大学を中心とする文書・文書館に関する研究
(酒匂一郎) 情報の法的な保護や規制に関する研究
(廣川佐千男) 情報検索とテキストマイニングに関する研究
(高野信治) 日本前近代の社会集団・組織とその文書史料群の関係論的研究
(岡崎敦) テクスト学、内外の文書記録管理理論、西洋前近代資料に関連した研究
(三輪宗弘) 企業資料、組合資料、海外の日本関係資料の構造と目録作成に関する研究
(冨浦洋一) 自然言語処理技術を用いた、情報の抽出・組織化と検索・提供方法に関する研究
(吉田素文) 情報の管理・提供における教育・学習の側面に関する研究
(井上仁) 情報システム、情報通信技術を利用した学習環境に関連した研究
(川平敏文) 江戸時代以前の書誌学、および書籍を中心とした文化的営為の研究
(石田栄美) 情報サービス機関における情報の分類・検索システム、利用に関する研究
(渡邊由紀子) 図書館における情報の管理・提供方法に関する実証的研究
特別研究Ⅱ
特別研究Iに基づき、院生は構築した仮説を検証・吟味して成果をまとめ説明を行う。院生は、論文、成果発表等により本専攻で涵養した能力を総合的に実証することが求められる。担当指導教員は研究計画の立案と実行を指導する。指導は原則、特別研究Iの指導教員があたる。特別研究が専 攻修了にふさわしい能力を実証しているかどうかは複数の教員が判定する。各教員の指導担当は、以下のとおりとする。
(折田悦郎) 公文書館論、特に大学を中心とする文書・文書館に関する研究
(酒匂一郎) 情報の法的な保護や規制に関する研究
(廣川佐千男) 情報検索とテキストマイニングに関する研究
(高野信治) 日本前近代の社会集団・組織とその文書史料群の関係論的研究
(岡崎敦) テクスト学、内外の文書記録管理理論、西洋前近代資料に関連した研究
(三輪宗弘) 企業資料、組合資料、海外の日本関係資料の構造と目録作成に関する研究
(冨浦洋一) 自然言語処理技術を用いた、情報の抽出・組織化と検索・提供方法に関する研究
(吉田素文) 情報の管理・提供における教育・学習の側面に関する研究
(井上仁) 情報システム、情報通信技術を利用した学習環境に関連した研究
(川平敏文) 江戸時代以前の書誌学、および書籍を中心とした文化的営為の研究
(石田栄美) 情報サービス機関における情報の分類・検索システム、利用に関する研究
(渡邊由紀子) 図書館における情報の管理・提供方法に関する実証的研究

基礎科目

情報マネジメント論
情報のマネジメントに関わる組織、およびマネジメントを担う情報専門職に関する講義である。具体的には、情報をマネジメントする機関である図書館・文書管理組織を対象に、その意義、種類、機能、動向、関係法規、 政策、類縁機関や、図書館・情報専門職の役割、専門性、資格制度、倫理などについて、基礎的な知識を学ぶ。情報をマネジメントする機関としての基本的機能と役割を理解するとともに、それらに共通する情報マネジメ ントの枠組みや概念、理論などについて検討し、インターネットやコンピュータを用いた情報マネジメントも含め、図書館や文書館等の枠にとらわれない情報そのもののマネジメントのあり方についても考察する。
情報システム論
情報を管理し、ユーザーへ必要な情報を提供するための情報システムに関する講義である。具体的には、情報システムを支える基盤技術(データ ベース、ネットワーク、セキュリティ、認証など)の概論と実際のシステム例、システムの技術的な改善や新規開発などの技術革新を同定し分析するための原理と技能を学ぶ。
情報サービス論
情報サービスの意義とサービス提供方法、利用者教育に関する講義である。図書館、文書館をはじめとした様々な情報サービスに関する理論と実践、情報サービスの利用者に対する教育とは何かについて学び、それらに共通する情報サービスの枠組みとは何かを捉える。具体的には、情報サービス機関における効果的なアドボカシーの策定とその実践、デジタルライブラリーなどインターネットを介した情報サービスの意義・方法、マーケティング、レファレンスサービスの技術、啓発事業の企画や実施、サービス実施についての人事や施設、利用者に求められる情報リテラシー、利用 者教育などについて概観する。
情報法制論
情報に関する法制度や公共政策に関する講義である。ここでは、現代の情報化社会が新たに生み出した諸問題に対して、法制度や政策はどのように対応し、どのような課題が提起されているのかについて学ぶ。とくにデジタルネットワーク化した情報のインフラ、コンテンツ、セキュリティ、プロパティ等に関する法制と政策について理解する。
学習科学
近年、大学図書館、情報管理の現場でも、「学ぶ組織」、「学習支援」の重要性が注目され、学習を促進する組織作り、学習支援デザインを検討されることも多くなってきた。しかし、学習は情意的・認知的行動であり、デザインをすることは容易なことではない。本授業では、学習科学の研究論文に当たり、学習に関する研究知見を学ぶとともに、学習科学の知見に基づいた学習プログラムのデザインを行うことで、学習科学の知見を有効活用するための観点を学ぶことを目的とする。

PTL・インターンシップ科目

ライブラリーサイエンス PTL I
専門分野を異にする複数の教員と学生が、共通のテーマのもとに、共同して取り組むチームラーニングの演習であり、学生の主体的な課題設定と実践が求められる。PTLⅠでは、高度情報化社会における情報の新たな提供法と利用法ならびに教育学習環境に関し、図書館などでのフィールド調査を基に課題を設定し、技術的・方法論的な観点、および、法的な観点からの検討を行い,課題解決に向けた取り組みを行う。
ライブラリーサイエンス PTL Ⅱ
専門分野を異にする複数の教員と学生が、共通のテーマのもとに、共同して取り組むチームラーニングの演習である。ここでは、学際的な取り組みのもとで、学生の主体的な課題設定と実践が求められる。PTLIIでは、文献、文書・記録の垣根を取り払い、資料や情報を総合的に管理、利用する ための方法論の構築に取り組む。
インターンシップ
大学や企業等の現場において、一定期間、研修生として働く。研修の内容については、事前に大学と受入先との間で協議を行い、指導教員が事前指導として学生に正確に伝えるものとする。研修後は、事後指導として、研修先での学習内容と感想についての口頭報告とレポート提出を求めるものとする。

専門科目

コミュニケーション論
情報の管理・提供の専門職として、ユーザーの視点に立ったコミュニケーションについて考察する講義である。専門職としてのコミュニケーションの目的、様式、倫理、特に効果的な対人コミュニケーションの方法論について実践例や学術的考察を交えて講義する。
電子資料開発論
情報システムの利用者の視点に立った電子資料(電子書籍、電子教材)の開発と提供環境ならびに教育手法に関する講義である。知の創造・継承を支援する学術情報発信やeラーニングのための電子資料の開発システム、開発方法、提供環境に関する知識を習得するとともに、電子資料の作成を通して、知の創造・継承を支援する実践的な能力を養成する。
情報サービスと著作権
情報管理・提供サービスの電子化・ネットワーク化が急速に進むなか、電子化された情報(電子情報)をインターネット経由で提供・利用することに伴う様々な法的問題を理解することを目的とする講義である。とくに、通信と放送の融合、プロバイダの責任、個人情報の保護、違法情報や有害情報の規制、情報財取引、著作権の保護などをめぐる法的問題について、 具体的に考察する。
情報資源保存論
情報の取得から、管理をおこない、必要な情報を提供するための、システムを構築するうえにおいて、既存の学問領域をどのように位置付け、組み合わせるか、基本理念をサイクルとみなし考察する講義である。この視点から、保存は活用に至るプロセスであり、それぞれの課程についての特異性を見出しながらも、次のステップに連続させてゆく課程と捉えられうることを示す。この際、情報資料の流通を現在担っている、図書館・文書館・博物館がおこなってきた、資料としてのモノと、情報との関係を振り返り、共通基盤と差異についてまとめる。さらにこれら既存システムの統合として、データ処理を基盤とした技術、情報処理の現在の方法を概観し、その応用を探り、将来の展望を含めた考察をおこなう。
図書館マネジメント論
図書館経営・管理に関する講義である。ここでは、図書館、司書、その他の図書館職員、そして図書館サービスにおける効果的なアドボカシーの重要性についての認識を得ることが目標である。具体的には、図書館や他の情報機関における企画と予算の原則、効果的な人事実務と人的リソース開発の原則、図書館サービスやそのアウトカムを査定・評価するために必要な概念と方法、図書館や他の情報機関の実践家の継続的な専門性の向上の必要性、リーダーシップ等について理論と実践を学ぶ。
図書館政策論
図書館の実践は、その組織自体の目的、規模、方針によって直接的には運営されるが、その親機関である大学、地方自治体、国による政策、施策によっても影響される。さらに、現在は社会全体の情報や情報メディアをめぐる動向や環境の変化により、近代図書館が持ってきた「社会における知識の集積所」としての機能への根本的な問い直しさえ起こっている。この授業では、情報と情報メディアという枠組み(フレームワーク)を設定することで、より広い文脈で図書館の機能およびその実践について再検討する。
レファレンスサービス論
情報ユーザーによる知の創造・継承を支援するためのレファレンスサービスに関する講義である。ここでは、情報ユーザーに対し、適切で正確な知識・情報へのアクセスを提供する、レファレンスと利用者サービスの概念、原則、テクニックを学ぶことが目標である。具体的には、情報を探索・評価・統合するテクニック、利用者との効果的な交流の方法、多様な利用者のニーズとコミュニティと嗜好の評価と対応、適切なサービスやリソース開発の計画と実行の評価等について学ぶ。
ライブラリー資料論
近現代の印刷資料、非印刷資料、電子資料とネットワーク情報資源に関する流通、収集、保存、提供などに関する基礎的な知識を学ぶ。具体的には、記録された 知識・情報を組織化するための目録作成・索引化・分類標準と方法の体系、書誌コントロール、電子的な学術情報の管理・提供方法、機関リポジトリの構築と課題、貴重資料のデジタルコレクションの構築と提供、サービスとしての情報検索システムの評価・提案などについて理解する。
ライブラリー特殊資料論
前近代の資料に関する講義である。主として、江戸期日本の古書、古刊本を対象として、歴史資料の特殊な性格に関する基礎的な知識を得ることが目標である。具体的には、印刷資料、 非印刷資料等について、類型と特質、歴史、生産、流通、選択、収集、保存などに関する知識と同時に、資料の整理と目録作成等の方法の体系、資料公開や情報検索、評価等を学ぶ。
文書記録マネジメント論
文書記録管理の基礎と現状について学ぶ。具体的には、文書や記録の定義と諸性格、文書記録管理の基本的特徴と歴史、文書記録管理の対象(公的、および私的領域)、文書記録管理の基本原則とその適用、資料の記述とメタ情報、アーキビストの倫理などについての理解を深める。
文書記録管理政策論
文書記録管理についての諸政策や学界の状況に関する講義である。変容を続ける文書記録管理の政治、社会的環境についての最新の動向を把握することが目標である。具体的には、文書記録管理についての立法や政策、根幹となる評価選別の問題、文書記録管理領域における国際協力、文書記録管理専門職の位置づけと養成、文書管理についての学会と関係団体等について概観する。
文書記録活動論
文書管理組織の活動に関する講義である。文書館や資料館等の意義を再考するため、現状と抱える諸問題についての認識を得ることが目標である。 具体的には、文書管理組織の位置づけと構成、文書管理組織の資料整理業務、利用者へのレファレンス業務、文書管理組織の広報、一般市民を対象とした啓発活動などについて概観する。
文書記録資料論
現代文書記録の評価、選別、記述、ならびに記録を生み出す組織と業務に関する講義である。ここでは、日々排出される膨大な量の記録資料をはじめとする多様な資料の性格と、それらを生み出す組織と業務について、基本的な認識を得ることが目標である。具体的には、文書記録の移送や受入、法的性格、評価、選別・廃棄、整理と記述、検索手段の開発、記録を排出する組織の構成、その業務プロセス等について概観する。
文書記録特殊資料論
前近代日本の文書記録(アーカイブズ)に関する講義である。文書の伝存現形を生み出した文書管理の歴史的性格を講義し、今後の史料管理のあり方を考える。
情報評価分析論
多変量統計解析とは、複数の項目(現象のある側面の観測を通して得られる値など)の間の関連性を統計的に分析し、現象を要約した簡潔な記述を与えたり、現象の背後にある潜在因子を探索したり、複数の項目から現象を予測したりする方法であり、情報の評価分析の基礎となる。本科目では、回帰分析、判別分析、因子分析、多次元尺度法、分散分析などの各種の多変量解析手法を学び、さらに代表的な統計解析ソフトウェアを利用した演習を通してデータ解析のスキルを身につける。
数理統計
情報の組織化、情報の抽出(テキストマイニングも含む)、そしてそのため必要となる自然言語解析は、確率を基礎としている。また、調査や実験により得られたデータを評価する上で、統計的仮説検定が重要な手段となる。本科目では、このような情報構造のモデル化と統計的な評価・判定のための基礎を学ぶ。具体的には、確率空間、確率変数、確率分布、条件付き確率分布、分布関数、確率(密度)関数、積率、極限定理、パラメタの点推定、仮説検定、モデル選択などについて学ぶ。
自然言語解析
電子媒体で流通する情報が氾濫している現在、ユーザーが求める情報に、容易にアクセスできるようにすることは非常に重要であり、それには、情報の組織化、情報の抽出等が有効である。自然言語で記述された情報の場合、情報の組織化や抽出には自然言語解析が必要になる。本科目では、現在の自然言語解析の主流である統計的な自然言語解析で用いられる統計的言語モデルやアルゴリズムについて学ぶ。これらは、形態素解析や統語解析といった情報の抽出や組織化のための前処理だけではなく、情報の抽出や組織化自体を行う際にも利用される。
データマイニング
学術論文などの文書間の潜在的な関係,概念や手法間の意外性のある関係、あるいはユーザーの文献利用履歴からのユーザーの潜在的なニーズなどの発見は、ユーザーへの新たな価値ある情報の提供に繋がり、よりよい学術情報流通基盤構築に必須である。この講義では、このような解析手法の基礎的な知識と具体的な解析のやり方について学ぶ。
情報セキュリティ論
図書館に導入されているシステムで用いられているセキュリティ関連の技術についての講義を行う。具体的には、認証、アクセス制御、プライバシ保護に関する技術について、実際のシステムを例に、それらの技術がどのようにして実現されているかとそのための基礎的な理論の解説を行う。また、この理解に必要なシステムの要素技術についても解説を行う。
データベース演習
SQL言語を用いてデータベースの作成を行い、システム構築のための実践的な能力を養成する演習である。SQL言語の基本的な機能を理解しながら演習を行い、データベースの基本的な概念を理解していく。また、実際にデータベースの構築を行い、ネットワーク上のデータベース作成のための実践的なスキルを習得する。
構造化文書運用演習
ネットワークを経由した情報発信および情報収集を行う技術について、演習を通した実践的能力養成を行う。利用者がPCや携帯端末を用いてアクセスするインターネットおよびWeb上のサービスについて、仕組みを解説し、演習を通じて実際にサービスを構築する。サービスの技術的な仕組みを理解したのち、ソーシャルサービスやコンテンツサービス等の具体的なサービスについて解説する。
外国語資料講読演習I
国の機関から持ち込まれたり、受け入れた資料の評価・選別・廃棄に関する英語文献の講読演習である。これを通して、海外の国立公文書館やアーカイブに関する先進的な試みや、実際の海外の国立公文書館においてどのような手続きで選別と廃棄が行われているのかに関する知識を得る。海外のコミュニティとの情報交換・連絡調整のための実践的な能力を身に付ける。
外国語資料講読演習Ⅱ
米国国立公文書館や米国議会図書館の刊行したチェックリスト(目録)や各レコードグループの概説を記したガイドなどの文献の講読演習である。これを通して、盛り込まれている内容や提供されている情報について検討し、チェックリストの作成に必要な知識を習得するとともに、海外のコミュニティとの情報交換・連絡調整のための実践的な能力を身に付ける。

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